ファスナー引き手

製品区分: 亜鉛ダイカスト

ファスナー引き手の例

 

あなたの毎日を支える「金型」の秘密
~ファスナーの引手から見えてくるものづくり~

 私たちの身の回りにある、たくさんの製品。スマートフォン、車、おもちゃ、ペットボトルなど、同じものが大量に、そしてきれいな形で手に入るのはなぜでしょうか?その秘密は、「金型(かながた)」という特別な道具にあります。

金型って、一体何?

 金型とは、製品の形を作るための「型」のことです。例えるなら、お菓子作りの型抜きのようなもの。金属やプラスチックなどの材料を金型に流し込んだり、圧力をかけて押し付けたりすることで、狙った形を正確に、しかも何度も繰り返し作ることができるのです。
金型は、一度作れば何万、何十万個と同じ製品を生み出せるため、「ものづくりの母」とも呼ばれています。金型がなければ、私たちは高品質な製品を、手頃な価格で手に入れることができません。

身近な「ファスナーの引手」にも金型が活躍!

 普段、洋服やカバンで何気なく触っている「ファスナーの引手」。この小さな部品にも、実際には卓越した金型技術が詰まっています。

 例えば、プラスチック製の引手は、熱で溶かしたプラスチックを金型に流し込み、冷やし固める「射出成形」という方法で作られます。金型の中には、ブランドのロゴや繊細な模様、指になじむカーブ、そして壊れにくくするための補強など、あらゆる情報が精密に刻まれています。
もし引手が金属製であれば、金属を溶かして金型に流し込む「ダイカスト」や、金属の板を型で打ち抜いたり曲げたりする「プレス金型」が使われることもあります。どんなに小さな引手でも、寸分の狂いもなく、しかも大量に作り出すためには、とても精密な金型が欠かせないのです。

金型ができるまで ~職人の技と最新技術の融合~

 金型は、ただの「型」ではありません。設計から完成まで、熟練した職人の技と最新の技術が融合して生み出されます。

    1. 設計:まず、製品の3Dデータをもとに、金型の最適な構造をコンピューターでじっくりと考えます。材料の流れ方や、製品の取り出しやすさなど、様々なことを細かくシミュレーションします。

    2. 加工:設計した通りに、鋼鉄の塊をミクロン単位(1ミクロンは1ミリの1000分の1!)の精度で削ったり、電気の力で溶かしたり、レーザーで穴を開けたりと、様々な方法で複雑な形を作り上げていきます

    3. 仕上げ・組み立て:加工された部品は、職人の手で丁寧に磨かれ、ズレがないように組み立てられます。目に見えないほどの小さな出っ張り(バリ)を取り除き、ツルツルに磨き上げることで、金型の寿命が延び、できる製品の質も上がります。

    4. 試作・調整:完成した金型で実際に製品を作り、品質や形が完璧になるまで何度も微調整を繰り返します。

この一連の作業には、長年の経験からくる「勘」と、最新のデジタル技術が使われます。

「治具」も大切な役割

 金型と似た言葉に「治具(じぐ)」があります。金型が製品の形を作る道具なのに対し、治具は、加工や組み立ての際に、部品を正しい位置に固定したり、作業を助けたりするための道具です。例えば、金型で作られた引手に文字を刻印する際に、引手が動かないようにしっかり押さえるのが治具の役目です。金型と治具は、どちらも良い製品を作る上で欠かせない存在なのです。

金型が支える豊かな社会

 金型は、私たちが普段使っているあらゆる製品の品質や価格を決める、とても大切な役割を担っています。日本のものづくりが高い評価を受けるのは、この金型技術の高さに支えられていると言っても過言ではありません。

 私たち有限会社豊栄は、このような金型の設計、製造、そしてメンテナンスまでを一貫して行っています。どんな小さな部品の金型であっても、その向こうにお客様の笑顔があることを忘れずに、一つひとつに心を込めて作っています。金型は、まさに現代社会を動かす「縁の下の力持ち」なのです。

金型についてご不明点やご相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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