医療現場で使用される食品用容器の例

医療の安心を創る「金型」技術
～精密加工で支える医療用カトラリーの最前線～

　私たちの日常生活に欠かせない、スプーンやフォークといったカトラリー。しかし、医療現場で使われるカトラリーは、見た目以上に高度な技術と徹底した品質管理のもとに作られています。その裏側で、見えない「縁の下の力持ち」として医療の安全と安心を支えているのが、「金型」と呼ばれる精密な型です。
このページでは、金型が医療用カトラリーの製造にどのように貢献しているのか、そして一般のカトラリー製造における金型との違いについても、わかりやすくご紹介します。

日常を支える「金型」の力　～一般カトラリーの製造現場～

　皆様が普段手に取るカトラリーの多くは、金型を使って効率的に生産されています。金属板を金型でプレスし、美しい形に成形する。この工程により、私たちは高品質なカトラリーを、手頃な価格で安定して手に入れることができます。
金型は、大量生産を可能にし、製品の均一性を保つことで、私たちの豊かな食生活を支える重要な役割を担っています。

医療品質を追求する「金型」～医療用カトラリーが特別な理由～

　それでは、医療用カトラリーの金型は、一般のものと何が違うのでしょうか？ その答えは、「安全性」「機能性」「衛生」に対する、妥協なき高い要求水準にあります。医療現場で使用される製品は、患者様の命と健康に直結するため、その品質には一切の曖昧さが許されません。

• 究極の「安心」を形にする精密加工
  

医療用カトラリー、例えば嚥下（えんげ）障害を持つ患者様向けの補助スプーン・病院食に使われる食器など、その形状には極めて高い精度が求められます。

• • 患者様を守る安全性: 口に直接触れるカトラリーは、わずかなバリ（不要な突起）や鋭利な部分も許されません。当社の金型は、究極まで滑らかな表面と完璧なエッジを実現し、患者様の安全を最優先に考えた製品づくりを可能にします。

• • 使いやすさを追求した設計: 患者様や介護者の方が安全かつ快適に使えるよう、持ちやすさ、口への運びやすさ、食べやすさといった人間工学に基づいた形状が不可欠です。金型は、これらの複雑かつ繊細な曲線や角度を忠実に再現する役割を担います。

• 徹底した「清潔」を保つ表面仕上げと品質管理
  

医療現場では、細菌感染の予防が最も重要です。医療用カトラリーは、使用後に繰り返し徹底した洗浄・滅菌が行われます。

• • 細菌の付着を許さない滑らかさ: 金型によって作られる製品の表面は、非常に滑らかである必要があります。わずかな凹凸も、汚れや細菌が残る原因となるため、金型自体の表面研磨も極めて重要な工程です。

• • 厳格な品質保証体制: 医療機器は、国際的な品質基準（ISOなど）や各国の厳しい規制（日本の薬機法、米国のFDAなど）に適合しなければなりません。当社の金型は、設計から製造、そして製品の試作・検査に至るまで、徹底した品質管理体制のもとで生み出されます。また、製品の精度を保証するため、「治具（じぐ）」と呼ばれる精密な検査・組み立て補助具も活用し、最高の品質をお約束します。

未来の医療を「金型」で支える：私たちの使命

　医療用カトラリーの金型製造は、単に「型を作る」という作業ではありません。それは、医療現場のニーズを深く理解し、最適な素材選定、設計ノウハウ、そして超精密加工技術を結集させる、まさに「ものづくりの総合力」が問われる仕事です。
私たちは、長年培ってきた金型製造の技術と経験を活かし、患者様の安全と快適な生活を支える医療用カトラリー、ひいては医療機器全般の品質向上に貢献しています。見えないところで、人々の健康と命を守る金型の力を、これからも追求し続けて参ります。
金型を通して、社会に貢献する。それが私たちの使命です。医療用カトラリーに関するご質問やご相談、ご依頼等ございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。