アパレル パーツ カゼイン製からナイロン製への移行例
製品区分: 射出成形。

アパレルパーツ製品 カゼイン制からナイロン製への移行例
アパレルパーツの革新 ~カゼインからナイロンへ~
~精密金型技術が導く品質~
アパレル製品の品質や世界観を決定づける、ボタンやバックルなどのパーツ。その素材は、時代のニーズと共に進化を遂げてきました。
従来主流だったカゼイン製部品から、高機能なナイロン製部品へと移行し、お客様の製品の価値向上を実現いたします。
~天然素材「カゼイン」が抱える現代の課題~
アパレル業界では長年、製品のボタンにカゼイン素材を使用していました。カゼインは牛乳由来のタンパク質から作られる天然樹脂で、その特有の温かみと上品な光沢は、高級感を演出する要素として多くのブランドで採用されてきた実績があります。
しかしながら、この天然素材ならではの、次のような課題も抱えていました。
・耐久性の不足: 吸湿性が高く、洗濯や長期間の使用で変形やひび割れが起こりやすい。
・コストの高さ: 原料コストに加え、加工工程が複雑なため、生産コストが割高になる傾向がある。
・供給の不安定さ: 天然原料のため供給が変動しやすく、安定した生産計画が立てにくい。
アパレル製品に求められる「日常使いの耐久性」と「安定した品質での量産」という観点から、素材の見直しが重要な課題となっていました。
~高機能素材「ナイロン」への転換と、それを支える「精密金型」~
現代社会に於いて一般的に扱われるようになって来た「ナイロン」は、アパレルパーツの素材として、以下の優れた特性を持っています。
卓越した耐久性: 摩擦や衝撃に強く、製品が長持ちします。
優れた成形性とデザイン性: 精密な金型を使うことで、細かいロゴや複雑なデザインも忠実に再現。染色性も高く、豊かなカラー表現が可能です。
軽量性とコスト効率: 軽くて着心地を損なわず、大量生産にも向いているためコストを抑えられます。
安定した供給: 工業製品のため品質が均一で、安定した原料調達が可能です。
ただし、単純に素材を置き換えるだけでは、この転換は成功しません。カゼインとナイロンでは、成形するときの特性、特に「収縮率」が大きく異なります。この違いを精密に計算した金型設計が不可欠です。これを考慮しないと、完成したパーツに寸法誤差が生じ、品質を損なう原因となってしまいます。
当社の強みは、長年培ってきた治具・金型の設計・製造ノウハウと、最新のシミュレーション技術です。素材の特性を深く理解し、ミクロン単位の精度で金型を製作することで、ナイロンの持つメリットを最大限に引き出します。
~素材と金型の最適化で、製品の価値を最大化します~
的確な素材選びと、その特性を最大限に活かす当社の精密金型技術が結びつくことで、アパレル業界の発展に貢献するパートナーとして、これからも素材と金型に関する知識を深め、お客様の「困った」を「できた!」に変えるサポートを続けてまいります。
アパレル部品の素材変更や品質改善、コスト削減でお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。お客様のニーズに合った最適な解決策をご提案いたします。